聯合艦隊司令長官 山本五十六 平成版と昭和版

映画「聯合艦隊司令長官 山本五十六
見て来ました。で、昭和43年版と見比べ。


99式艦上爆撃機 1/72プラモデル 昨年作りました。初心者なのでへたっぴ〜なのはご勘弁



1月29日(日)109シネマ名古屋で聯合艦隊司令長官 山本五十六
見てきました。上映開始から1ヶ月が経過し上映時間も朝10時からの1回のみとなっております。
前日、昭和43年東宝製作、三船敏郎主演の山本五十六をDVDで予習をしてからの鑑賞です。
え〜。本ブログのテーマが特撮とアニメという事で特撮に主眼を置いた感想になりますのでよろしく
お願いします。

今回の作品は山本五十六の人物像に深く切り込んだ作品という触れ込み。
なるほど、先進的でありながら厳格で時にはユーモアに満ち、実に懐の大きな人物像として描いています。
この辺りは海・陸軍部内でのやりとり、家族との食事、甘味処でのシーンなどで丁寧に描写され、
ともすれば力の入ってしまいそうな役どころを役所広司さんは肩の力の抜けた演技で山本五十六という人物を魅力的に昇華させています。

さて特撮ですが最新のCGを駆使した今回(平成版と呼称します)は海上シーンでの水表現がよく出来ていると思います。
円谷監督版(昭和版と呼称します)はミニチュアを特撮用プールに浮かべて撮影しているので、
どうしても真珠湾攻撃などの場面でミニチュア艦船と爆撃による水しぶきの表現などで艦船のスケール感が損なわれています。
しかし、当時(昭和版は昭和35年制作の太平洋の嵐の使い回し)の特撮環境を考えるなら、やはり世界最高水準の出来映えだと思います。
それは昭和版ミッドウェイ海戦シーンはハリウッド映画「ミッドウェイ」で流用されています。
円谷特撮のレベルの高さを証明するエピソードと言えましょう。

航空機の飛行シーンでは平成版は零戦による空戦が印象的に描かれています。雲の中に飛び込む際には機影が雲にしっかりと映り、機銃掃射では薬莢が排出されるなど、細かなディティールをしっかりと表現することでリアリティが増しています。

ラストの山本長官が搭乗する一式陸上攻撃機がP38によって撃墜されるシーンは、円谷ファンとしては悲しいですが平成版が圧倒的な画面構成で見せてくれます。ミニチュアとCGが見事に融合しカメラの視点もミニチュアを下から捉えることに主眼を置き、陸上攻撃機の大きさが伝わってきます。昭和版ではライティングがあまり上手くいってないのでしょうか、いかにもミニチュア飛行機という画になってしまっているのが残念です。

いろいろぐだぐだと書いてきましたが、平成版で私が一番「これは!」と思ったのは停泊する「戦艦長門」「戦艦大和の表現です。「これ本物でしょ」としか言いようのない出来映えでありました。

追伸:阿部寛(好きな俳優ですが)の山口多門少将はちょっとミスキャストかな。。。